脅迫罪、強要罪、恐喝罪、強盗罪の違い

脅迫、強要、恐喝

この3つは切っても切り離せないものです。

指導教育責任者講習では個別で学ぶものですが
この3点はセットで覚えておいた方が良いかなと思いますので
今後指導教育責任者を目指す方は是非とも見て頂ければ幸いでございます。

ついでに強盗罪もお話しできればいいかなと思います。

脅すことには変わらない

脅迫、強要、恐喝。
3つとも、脅すことを目的とするには変わりはありません。
実際の条文はこんな感じです。

脅迫罪

第222条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

強要罪

第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

恐喝罪

人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する

※恐喝:暴力や相手の公表できない弱みを握るなどして脅迫すること等で相手を畏怖させ、金銭その他の財物を脅し取ることを内容とする

まぁ、ぱっと見て分かる人はそもそもこのブログなんか読まないといいと思いますので
よく分からない人のために、個別に解説していこうと思います。

 

脅迫罪は暴力を用いらない

脅迫罪は生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅すことであり、
暴力を手段として行うことは要件としては含まれておりません。

例えばこのような事が例として挙げられます。

・生命への害悪告知 →「殺す」、「お前の家族を殺す」など

・身体への害悪告知 →「怪我をさせてやるぞ」、「痛い目を見させるぞ」、「殴るぞ」、「お前の子どもを殴るぞ」など

・自由への害悪告知 →「生きて帰れると思うなよ」、「お前の子どもを誘拐するぞ」など

このように、暴力でなく、言動で危害を加えることを告知することが脅迫罪と言います。
逆に強要罪、脅迫罪については暴力も手段に入ります。

強要罪は害悪の告知または暴力+自由や権利の侵害

強要罪は、害悪の告知や暴力という手段を用いて、自由や権利の侵害を行なうことが
強要罪となります。

例えば、「土下座しないと殺す」などと言う発言は、「殺す」という害悪の告知の手段を用いて「土下座」という
義務でないことをさせる行為は強要罪となります。

恐喝罪は金が絡む

恐喝は、簡単に言うと「カツアゲ」です。
他にも、「浮気をバラされたくなければ100万円用意しろ」などと言われるのも恐喝に該当します。

また、「浮気をバラされたくなかったらいう事を聞け」というのは、強要になります。

恐喝と強盗は程度の差

恐喝と強盗の差というのは程度の差です。
暴行・脅迫で被害者を抵抗不能にするなどして財物を奪った場合に成立する犯罪です。

例えば、「浮気をバラされたくなければ100万円用意しろ」と言われても、断ることは可能ですが
包丁を持っている相手に「刺されたくなければ100万円用意しろ」と言われれば、あなたは抵抗できるでしょうか。

その差が恐喝と強盗との差となります。

程度が低くとも強盗罪は成立するケースはある

とはいえ、程度が低くとも強盗となるケースはあります。
指導教育責任者の講習で良く出てくる言葉として「事後強盗」がそれにあたります。
被害物件を取り返そうとする者や自己を逮捕しようとする者に暴行・脅迫を加えることがそれにあたりますが

例えば、空き巣犯を逮捕したが、犯人が抵抗をして家の中にある包丁を取り出して暴れた

これは、空き巣という窃盗罪ではなく、事後強盗として処理される案件となります。

このように、ニュースでは一言で「脅迫」「恐喝」「強要」「強盗」と使われることが多いですが
これらは細かく砕くとこのような要件の差があります。

指導教育責任者講習を受ける方は覚えておいて損はないことと同時に
このブログを見ているあなたが例えば万引き犯が抵抗している現場を発見した場合

「あんまり抵抗しすぎて誰かに怪我させたら強盗扱いになりますよ」と一言言えば

もしかしたら犯人は抵抗をやめるかもしれません。

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