なぜ岩手県沖で震度6強なのに津波なし?能登との違いを防災士が解説

本日6月25日の朝、岩手県沖で大きな地震がありました。青森県で最大震度6強という非常に激しい揺れがありましたが、皆さんのお住まいの地域は大丈夫でしたでしょうか。
ニュースを見ていて、多くの方が「あんなに激しく揺れたのに、なんで今回は津波が来なかったんだろう?」と不思議に思ったのではないでしょうか。
地域の安全を守る五輪警備保障株式会社の代表であり、一人の防災士でもある私、山本高大が、今回の地震の仕組みと「これから気をつけるべきこと」を、難しい言葉を使わずに分かりやすくお話しします。
■ なぜ「震度6強」なのに、津波は来なかったの?
今回の地震は、海の底にある岩盤がグッと跳ね上がることで起きました。このタイプは本来、大津波が起きやすい危険な地震です。
それなのに今回は津波がほとんどなかった理由。それは一言でいうと、「地震が起きた場所が、地下のすごーく深いところだったから」です。
今回の地震(深さ約44km):
地下の奥深くで岩盤が動いたため、その上にある「分厚くて重い地球の岩の層」がクッションになってくれました。衝撃を途中で吸い取ってくれたおかげで、海の底の形が変わらず、津波が起きずに済んだのです。
今回は、「地球の分厚い岩盤が、津波の力をギリギリで通さずに守ってくれた」ということになります。

■ 2024年の能登半島地震(深さ約16km)との違い
「クッションがあるなら、揺れも小さくなるはずでは?」と思いますよね。これには2つの理由があります。
- 地震が起きた場所が、私たちのいる「陸地」のすぐ近くの地下だったこと
- 揺れた地域の「地盤が柔らかかった」こと
地下の硬い岩盤は、振動をほぼそのまま遠くまで伝える性質があります。今回は、ちょうど沿岸の陸地に近い所で発生したため、キレのある激しいガタガタという揺れが、ダイレクトに真上へ突き抜けてきました。
さらに、私たちが暮らす地面の近くにある柔らかい土の層が「スピーカー」のように揺れを大きく広げてしまったため、特定の地域で「震度6強」という激しい揺れになってしまいました。
一方で、能登の地震は震源がものすごく浅い場所(深さ約16km)でした。そのため、岩盤のズレが海の底までダイレクトに突き抜けてしまい、海底が4メートル以上もガタッと跳ね上がりました。海水を真上にドーンと押し上げてしまったため、大津波になってしまったのです。

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■ 防災士として、皆様に一番お伝えしたいこと
「今回は津波が来なくて本当に良かった」と一安心するだけで終わらせてはいけないのが、地震の本当に怖いところです。
ただ、「地下のひびがどんどん上に向かって伸びていって、次の大地震になる」というわけではないので、そこは安心してくださいね。
気をつけなければいけないのは、「地下の力のバランスが変わった」ということです。
地下44kmの岩盤が大きく動いたことで、これまでその場所が支えていた力のバランスが少し変わり、周りの岩盤にじわっと力が移っている状態になっています。
気象庁の発表でも「特別に巨大地震の危険が高まったわけではない」とされていますが、周りの岩盤にかかる力のバランスが変わった以上、ここ数日間から1週間程度は、最大震度6強くらいの激しい揺れが再び起きる可能性が残っています。
■ 私たちの街、柏や流山でも「震度6」は人ごとではありません
ここで、私たちが暮らす地元のことにも少し触れさせてください。私たちの拠点がある柏市や流山市は、海から離れているため津波が来る心配はありません。しかし、「大地震の揺れ」そのものは決して人ごとではないのです。
近い将来に起きると言われている首都直下地震などでは、この柏・流山エリアでも「最大震度6」クラスの非常に激しい揺れに襲われる危険性がはっきりと指摘されています。
津波がないからといって油断していると、家具の転倒やガラスの飛散、ライフラインの停止などで大きな被害が出てしまいます。だからこそ、遠くの地域の出来事と思わずに、日頃からの「揺れへの準備」を徹底することが本当に大切なんです。
■ 結び:前が大丈夫だったから、次も大丈夫とは限リません
暗い時に大丈夫だったから次も大丈夫と油断してしまうのが、防災の上で一番の禁物です。
これを良いきっかけにして、今一度、家具が倒れてこないか、非常用の水や食料は足りているか、避難する場所はどこかなど、身の回りの安全対策をぜひ見直してみてください。
私たち五輪警備保障株式会社は、これからも最新の防災情報に目を光らせ、防災士としての知識を活かしながら、地域の皆様の安心・安全な毎日のために全力で警戒を続けてまいります。何か不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。


