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日常にはない「言葉の重み」警備のプロが現場で使い分ける、実務用語の裏側

日常にはない「言葉の重み」警備のプロが現場で使い分ける、実務用語の裏側

日常にはない「言葉の重み」

警備のプロが現場で使い分ける、実務用語の裏側

警備員の報告書や無線連絡を聞いていると、普段の生活ではまず耳にしない「硬い言葉」が飛び交うことがあります。
これらは単に格好をつけているわけではありません。法的な責任を明確にし、一分一秒を争う現場で「正確な事実」を伝えるための、研ぎ澄まされた道具なのです。

1. 「物」の扱いが法を左右する

● 贓物(ぞうぶつ) 意味:盗品のこと。

「店舗出口にて対象者を捕捉。所持品から贓物(未精算の衣類3点)を確認しました」

万引き事案などで、その物品が「盗まれたものである」という法的な性格を指します。警察への引き継ぎの際、この贓物の特定が逮捕や立件の決め手となります。

● 領置(りょうち) 意味:証拠品などを一時的に預かる(占有する)こと。

「警察官が到着するまで、現場の証拠品を安全のために領置しました」

ただの「預かり」ではありません。証拠としての価値を損なわないよう、また他者の手に渡らないよう、警備員が法的根拠を持ってその物を支配下に置くことを指します。

● 拾得物(しゅうとくぶつ) 意味:落ちていた物(落とし物)。

「ロビーにて財布の拾得物あり。直ちに遺失物管理台帳に記載し、保管します」

警備員は「遺失物法」に基づき、適切な手続きを行う義務があります。親しみを込めた「落とし物」ではなく、責任を伴う言葉としてこの用語を使います。

2. 設備と場所:緊急事態を言語化する

● 自火報(じかほう) 意味:自動火災報知設備の略。

「3階エリアで自火報が作動。直ちに現場へ急行し、火災の有無を確認します」

パニックを防ぐため、「火事です」と言う前にシステムの状態を正確に共有します。一分一秒を争う現場において、最も効率的な伝達手段です。

● 建造物侵入(けんぞうぶつしんにゅう) 意味:許可なく建物内に入ること。

「不審者を発見。建造物侵入の疑いがあるため、直ちに警察へ通報します」

法的な定義に基づき、「どこに」侵入されたかを正確に呼び分けます。これにより、警察側も事態の重要度を即座に判断することが可能になります。

3. 状態・行動を表す言葉

● 占有(せんゆう) 意味:実質的に支配・管理している状態。

「このエリアは現在、当社が占有管理しており、立ち入りを制限しています」

警備の権限や責任の範囲を明確にするための言葉です。

● 巡回(じゅんかい) 意味:計画に基づき、点検して回ること。

「定時巡回において、非常階段の施錠に異常がないことを確認しました」

ただの「見回り」ではありません。決められた経路、時間、チェック項目に基づき、異常を未然に防ぐ高度な業務を指します。


これらの言葉は、私たちが背負っている「安全を守る責任」の裏返しでもあります。
言葉ひとつを正確に使う。それが、プロの警備の第一歩です。

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