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【自転車】交差点内で歩行者はどこで待っていればいいの?

【自転車】交差点内で歩行者はどこで待っていればいいの?

昨今、道路交通法の改正により、自転車のルールが大幅に変わりました。

 

それに伴い、今までの「歩行者と自転車」との暗黙のルールが最近変わったように私は感じます。

今回は、「歩行者と自転車」という立場から、歩行者が事故に遭わないようにするにはどうすればよいのか?というお話をさせて頂きます。特に、交通量の多い交差点内やその付近で、歩行者が安全を確保するための具体的な心構えと行動について解説します。

近年、自転車利用者の増加と、2023年4月以降の改正道路交通法(ヘルメット着用努力義務化、特定小型原動機付自転車の新設など)により、交通環境は変化しました。自転車は「車両」としての責任を強化されていますが、歩行者側も従来の「暗黙のルール」をリセットし、最新のルールと自己防衛の意識を持つことが不可欠です。

この記事では、まず自転車のルールを正確に理解し、その上で、歩行者が交差点という最も危険な場所で、どこに、どのように立つべきか、具体的な安全確保のポイントを解説します。


 

新たに加わった自転車ルール

 

近年の法改正は、自転車を「車両」として明確に位置づけ、その利用者に責任と義務を課すものです。

 

1. ヘルメット着用努力義務化と危険行為の取り締まり強化

 

2023年4月1日から、すべての自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用が努力義務となりました。これは事故の際の致死率を下げる目的です。同時に、「信号無視」「一時不停止」などの危険行為に対する取り締まりも強化されており、自転車は「軽車両」として厳格なルールのもとで運用されるべきという認識が浸透しつつあります。歩行者は、自転車を「急には止まれないスピードを持った車両」として認識することが、自己防衛の基盤となります。

 

2. 「特定小型原動機付自転車」の登場

 

2023年7月1日から、電動キックボードなどに適用される「特定小型原動機付自転車」という新たな区分が設けられました。このうち、一定の条件を満たしたものは、特例として歩道を通行できる場合があります(時速6km以下、歩行者優先など)。この新たな車両の出現により、歩行者は「歩道でも油断できない」状況を念頭に置く必要があります。


 

自転車は歩道を走ればいいのか、車道を走ればいいのか

 

歩行者が交差点で安全を確保するためには、自転車がどこを走るのが原則か、そして例外を理解し、その走行ラインを予測することが重要です。

 

1. 自転車の原則:車道の左側通行

 

自転車は「軽車両」であり、原則として自動車と同じく車道の左側を走行するのがルールです。したがって、歩行者は「車道」から自転車が来ることを基本として警戒すべきです。

 

2. 歩道走行が許容される「例外」的な状況

 

原則は車道走行ですが、次の例外的な状況に限り、自転車は歩道を通行できます。歩行者が最も注意すべきは、この例外的に歩道を走行してくる自転車です。

  • 交通標識による指定がある場合: 「自転車歩行者道」の標識がある歩道では、自転車は車道寄りを走行し、歩行者を優先しなければなりません。
  • 交通弱者(13歳未満、70歳以上、身体不自由者)が運転する場合や、車道通行が困難/危険な場合には、歩道走行が認められます。

 

3. 交差点での危険予測

 

歩行者は、これらのルールを踏まえ、交差点で自転車がどこから現れるか、その走行ラインを予測することが重要です。特に、信号が変わった瞬間に車道から勢いよく横断歩道に進入してくる自転車や、一時停止を無視して進入してくる自転車の存在を想定し、常に警戒する必要があります。


 

歩行者が気を付ける事:交差点での安全な立ち位置

 

本題である「交差点内で歩行者はどこで待っていればいいの?」という問いへの具体的な答えは、「車道と歩道の境界線から意識的に離れる」ことです。

 

1. 信号待ちの「ゴールデンゾーン」を見つける

 

信号待ちの際、多くの人が無意識のうちに立つ「横断歩道のスタートライン」、つまり車道と歩道の境にある縁石のギリギリの位置は、最も危険な「デッドゾーン」です。

 

デッドゾーンの危険性

 

この位置は、右折・左折車両の「内輪差」、車や自転車の「急ブレーキによる飛び出し」、そして歩道を走行してきた「自転車との接触」のリスクが最も高まる場所です。

 

安全な場所:「ゴールデンゾーン」

 

最も安全な待機場所は、縁石から1~2歩(約1メートル)下がった、建物の壁側やフェンス側です。この「ゴールデンゾーン」で待機することで、突発的な危険から物理的な距離を保つことができます。

待機中も、車道に背を向けず、両方の交通の流れを視界に入れておくため、道路に対して斜めを向いて立つのが理想です。また、歩道走行の自転車の進路を妨げないよう、立ち位置を工夫することも重要です。

 

2. 横断中の「予測と回避」の意識

 

青信号で横断を開始した後も、「青だから安全」と過信してはいけません。横断中は常に「危険は左右からも来る」という意識を持ち続けることが重要です。

  • 信号無視の可能性を想定する: 常に全方位に目を配り、信号無視の自転車や車の存在を警戒します。イヤホンやスマホ操作で注意力を低下させることは避けるべきです。
  • アイコンタクトの徹底: 曲がってくる自転車や車を見つけたら、**必ず運転者や乗車員と目を合わせる(アイコンタクト)**ように努めます。アイコンタクトが取れない場合は、相手が自分を認識していない可能性が高いため、立ち止まって相手を先に行かせることが最優先の安全策です。

 

まとめ:安全は「予測」と「距離」から生まれる

 

「交差点内で歩行者はどこで待っていればいいの?」という問いの答えは、「車道から最も距離を取れる、歩道の奥側(建物側)」です。この行動は、「自転車も車両である」という正しい知識と、「危険は必ず潜んでいる」という予測能力に基づいています。

 

安全のための3つの最重要行動

 

歩行者が安全を確保するために最も重要な行動を3つに集約します。

  1. 待機位置は「縁石から1m以上」離れる: 車両の内輪差や飛び出し、自転車との接触を防ぐための物理的な距離を確保する。
  2. 常に「例外」と「危険」を想定し、アイコンタクトを徹底する: 信号無視やルール違反の存在を前提とし、危険を感じたら必ず相手と目を合わせ、自分の存在を認識させる。
  3. ルールを守れない車両を「先に行かせる」勇気を持つ: 自分の進路を主張するよりも、危険な車両を先に通すことで、結果的に自分自身の命と安全を守る。

歩行者自身が、最新のルールと安全な立ち位置を理解し、主体的に行動することで、交差点における事故のリスクを最小限に抑えることができます。


 

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