地域防災訓練で高齢の町会役員と現役世代が協力して防災テント設営や備蓄物資を運ぶ様子

大地震などの自然災害が発生した際、学校の体育館や公民館に開設される避難所。「市役所の職員が駆けつけてすべて指示・運営してくれる」と思われがちですが、被災現場の実態は全く異なります。実際には、地元の町会や自治会、自主防災組織といった住民自身が運営の中核を担わなければ機能しません。

柏市や松戸市をはじめとする東葛エリアでも、町会・自治会への加入率低下が進む一方、災害時の「避難所受け入れ」や「運営トラブル」への懸念は年々深刻化しています。なぜ自治会未加入者が避難所へ来ると摩擦が生じるのか。そこには法的な建前と現場感情の埋まらないギャップ、そして「会費ではなく、動ける人手が足りない」という切実な現実があります。

1. 避難所の法的建前と「町会館」のグレーゾーン

まず整理しておかなければならないのは、避難所という場所の法的な位置づけです。公共の避難所と私有施設である町会館では、法律上の責任の所在が根本から異なります。

公的施設

指定避難所(小中学校など)

災害救助法に基づき自治体が公費で開設・管理する施設。自治会への加入状況や居住年数を理由とした受け入れ拒否や物資の配給制限は法的に一切認められません。

私有施設

町会館・自治会館

町会員の会費や寄付で維持される私有財産。法的な一般開放義務はありませんが、目前に命の危険が迫る極限状態での締め出しは人道・法的に許されません。

外見上、一般住民から見れば「町会館も地域の防災拠点の一つ」と映ります。しかし、いざ有事の際に「ここは会員用だから指定避難所へ行ってくれ」と線引きすれば、被災現場に決定的な亀裂を生みます。法的な権利義務だけで割り切れないのが、地域防災の最も難しい側面です。

2. 感情摩擦の本質:高齢役員の疲弊と「動ける手」の不足

現場で未加入者との間に摩擦が起きる根本原因は、月数百円の町会費未払いに対する恨み言ではありません。本質は「担い手の高齢化」と「動ける人手の圧倒的不足」にあります。

避難所で高齢の町会役員が受付や重い物資の運搬に追われ、避難してきた若い世代が関わり方が分からず見守る様子

平時に防災倉庫の点検を行い、訓練を重ねてきたのは70代・80代の町会役員たちです。いざ被災したとき、重い発電機を運び出し、仮設トイレを組み立て、物資の荷降ろしに奔走するのも彼らです。その傍らで、体力のある現役世代や若手が「どう動けばいいかわからない」まま、お客様のように座って配給を待っている――この構図が限界を迎えた役員の感情を刺激し、「普段何も関わってこなかったのに」という不満へと変換されてしまいます。

町会が心底欲しているのは「お金(会費)」ではなく、現場で汗を流せる「動ける手」そのものです。

3. 生活道路の安全確保と有事の交通誘導:警備の現場から見える盲点

発災直後の地域では、主要幹線道路だけでなく、柏市や松戸市の住宅街に張り巡らされた「生活道路」が重大なリスク要因となります。建築基準法第42条等に定められる幅員4メートル前後の生活道路は、緊急車両の通行や住民の避難動線として極めて重要なライフラインです。

しかし震災時、渋滞を避けようとする一般車両が抜け道として生活道路へ一斉に流入し、避難歩行者との接触事故や緊急車両の立ち往生が多発します。道路工事やインフラ復旧の現場周辺においても、歩行者目線とドライバー目線の双通的な安全確保が不可欠です。

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私たち五輪警備保障が日々東葛エリアの工事現場や生活道路で実践している交通誘導警備でも、死角の多い路地では「アイコンタクトの徹底」「歩行者の動線優先」「車両の減速誘導」を徹底しています。有事の避難所周辺でも同様に、車両進入規制や歩行者の誘導を誰かが冷静に仕切らなければ、二次災害を引き起こします。ここでも必要とされるのは、指示を待つ人ではなく、自発的に交通整理や安全確認に動ける「現役世代の手」です。

4. 若手を巻き込む処方箋:「加入」の前に「接点」をつくる

現役世代の町会離れを食い止めるために、公園でテントを張るグランピング体験やマルシェといったイベントが各地で企画されています。しかし、楽しいレジャー体験だけで人を集めても、「楽しかった」と帰ってしまえば町会の担い手獲得には結びつきません。

必要なのは、0か100かの町会加入を迫ることではなく、「防災をフックにした薄くても切れない接点」を平時から作っておくことです。

同世代同士がスマホの防災LINEを見せ合って声かけし、若い世代が町会役員を手伝って物資を運ぶ助け合いの様子

同世代が同世代を巻き込む「リファラル型」のアプローチ

高齢役員が戸別訪問して加入を促しても、若い世代は構えてしまいます。有効なのは、同じマンションや近隣に住む同世代同士が「LINEの防災グループ登録」などを入り口にして声を掛け合うアプローチです。

  • 防災メルマガ・LINE公式アカウントの活用:
    役員縛りや定例会参加を求めず、地域の防災情報や備蓄倉庫の位置を共有する連絡網として登録してもらう。
  • 単発・プロジェクト型の協力依頼:
    「訓練の日のテント設営だけ1時間手伝ってほしい」「有事の際に力仕事を頼みたい」と、役割を限定して頼る。

「加入するか、しないか」の二者択一を突きつける前に、まずは地域の連絡網に1本つながっておく。その平時のささやかな接点が、有事の際に「お客様」を「頼もしい運営スタッフ」へと変える決定打となります。

地域密着で安全・安心を守るパートナーとして

五輪警備保障株式会社は、千葉県柏市・松戸市を中心とする東葛地域において、建築・土木工事現場の交通誘導警備からイベント警備まで、生活道路の安全と地域住民の安心を最前線で守り続けています。現場の安全管理に関するご相談はもちろん、地域社会を支える新たな警備スタッフの採用にも力を入れています。

五輪警備保障株式会社

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事業内容:交通誘導警備業務(生活道路・幹線道路・建設土木工事現場)、施設警備、イベント雑踏警備(柏市・松戸市・東葛エリア全域対応)