【プロが実践】警備員が業務開始前に必ず行う「自己管理と安全準備」

警備は万全な準備が必要
警備の仕事は、人々の安全を守り、秩序を維持する、非常に重要な役割を担っています。一見すると「立っているだけ」「誘導しているだけ」に見えるかもしれませんが、その業務の裏側には、緻密な計画と、何よりも万全な準備が不可欠です。
特に、現場に入る前の準備が、その日の警備の質を決定づけると言っても過言ではありません。事故やトラブルは予期せぬ瞬間に発生します。いざという時に冷静かつ的確に対応できるかは、事前の準備にかかっています。
私たち警備員は、プロフェッショナルとして、ただ言われた場所に立てば良いわけではありません。現場の特性を理解し、リスクを予測し、そのリスクに備えるための準備を徹底する必要があります。この準備こそが、お客様や地域住民の方々からの信頼に繋がるのです。
このブログでは、警備員が現場に入る直前、あるいは当日の朝に、必ず行うべき重要な準備事項に焦点を当てて解説します。これらの準備は、単なるルーティンではなく、安全を確保するための土台となる行動です。
現場に入る前にやること
警備の現場に到着し、業務を開始する前に、隊員が必ず実施しなければならない具体的な行動があります。これらの準備は、体調管理、業務効率、そして地域への配慮という、多角的な安全管理の視点から組み立てられています。
1. アルコールチェック
当社は全隊員にアルコールチェックをお願いしております
安全管理の基本中の基本、それがアルコールチェックです。飲酒運転が厳罰化されているのはもちろんですが、警備の現場において「酒気帯び」は絶対に許されない行為です。
警備の仕事は、一瞬の判断力と、状況を正確に把握する集中力を必要とします。わずかなアルコールでも、これらの能力は低下し、結果として重大な事故やトラブルを引き起こす原因となり得ます。
- 集中力の低下: アルコールは集中力を鈍らせ、車両や歩行者のわずかな変化を見逃すリスクを高めます。
- 判断の遅れ・誤り: 緊急時、瞬時の正確な判断が求められますが、アルコールはその判断を遅らせたり、誤らせたりします。
- 信用の失墜: 万が一、警備員が酒気帯び状態で業務にあたっていることが発覚すれば、会社全体の信用を失墜させます。これは、警備会社にとって最も避けなければならない事態です。
そのため、当社では、現場への移動前や、現場に到着して業務を開始する前に、必ず専用のアルコール検知器を用いたチェックを義務付けています。このチェックは、単に法律を守るためだけでなく、隊員自身の体調管理と、プロとしての自覚を再認識させるための大切な儀式なのです。チェックをクリアすることは、「今日の私は、最高の集中力で安全を守ります」という、プロとしての宣言に他なりません。
2. お昼の買い出し
警備の現場は、多くの場合、都市部から離れた建設現場や、交通量の多い道路沿いなど、周辺にコンビニエンスストアや飲食店が少ない場所であることが少なくありません。そのため、業務が始まる前に、昼食や飲み物の買い出しを済ませておくことは、非常に重要な準備となります。
なぜ事前の買い出しが必要なのか?
- 現場からの離脱防止: 警備業務が開始された後、隊員が昼食のために持ち場を長時間離れることは、警備の空白時間を生み出し、安全上のリスクを高めます。特に、一人現場や交通誘導の要所では、警備員が抜けること自体が事故に直結する可能性があります。
- 休憩時間の確保と効率化: 限られた休憩時間を、食事の買い出しに費やしてしまうのは非常にもったいないことです。事前に用意しておくことで、休憩時間すべてを心身のリフレッシュに充てることができ、午後の業務に最高の状態で臨むことができます。
- 熱中症・体調不良の予防: 夏場の警備は、熱中症のリスクが非常に高くなります。多量の水分補給は必須であり、現場に入る前に十分な量の飲料水や経口補水液を確保しておくことが、隊員の命を守る重要な準備です。
買い出しのポイント
予備も含めて多めの水分を用意し、休憩時間に手間取らないよう、すぐに食べられるおにぎりやサンドイッチなどを用意します。また、現場に到着するまでの間に、確実に立ち寄れる店舗の場所を事前に把握しておくことも、プロの準備です。この「お昼の買い出し」は、現場の継続的な安全と、隊員の体調維持を両立させるための、現実的かつ重要な準備行動なのです。
3. 現場付近のトイレのチェック:集中力の維持と安全の確保
一見、業務とは直接関係ないように思えるかもしれませんが、現場周辺のトイレの場所を事前に確認しておくことは、警備員にとって非常に重要な業務効率と体調管理のための準備です。これは、プロフェッショナルとしての集中力の維持と、警備エリアの安全確保という二つの重要な側面に直結します。
警備の空白時間を作らないための戦略
警備業務において最も避けなければならないのは、警備員が持ち場を離れることによって生じる**「空白の時間」**です。
- 迅速な離脱と復帰計画: トイレの場所(距離、所要時間)を把握していれば、「あと何分で戻れる」という具体的な計画を立てて現場責任者や同僚に引き継ぎができます。場所が分からず探し回る時間がなくなることで、持ち場を離れる時間を大幅に短縮できます。
- 事前の調整と許可: トイレの場所を明確にしておくことで、業務中の不必要なトラブルや迷いを避けることができます。
集中力と体調を最適に保つための自己管理
長時間の立哨や誘導業務は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。トイレの不安を抱えた状態で業務にあたると、警備員は無意識のうちに集中力を削がれてしまいます。この不安要素を事前に解消することで、警備員は現場の安全管理に100%の集中力を注げるようになります。また、トイレの位置を確認することは、熱中症や体調不良を予防するための、セルフケアの一環でもあります。
地域住民や施設への配慮
現場内に専用トイレがない場合、近隣の施設を利用することになります。プロの警備員として、利用可否を確認し、利用時は会社の代表として清潔に使用し、マナーを厳守することが重要です。現場付近のトイレを事前にチェックし、利用計画を立てておくことは、警備員が自身の業務に集中し、継続的に質の高い警備サービスを提供するための、欠かせないプロ意識の発露なのです。
✨ 準備がもたらすプロの仕事
警備員が現場に入る前に実施する「アルコールチェック」「お昼の買い出し」「トイレのチェック」は、どれも地味な準備かもしれません。しかし、これらは全て、「隊員自身が最高の状態で業務にあたり、安全を途切れさせない」という、警備業務の核心に深く関わる行動です。
これらの準備を怠らず、徹底することで、警備員は現場で以下のようなプロフェッショナルな対応を実現できます。
- 冷静な判断力: アルコールチェックによる体調万全な状態が、緊急時の正確で迅速な判断を可能にします。
- 継続的な警備: 昼食・水分を確保しておくことで、持ち場を離れることなく、警備を中断させずに業務を継続できます。
- 高い集中力: トイレの不安を解消することで、警備対象(車両、歩行者、施設)への注意力を最大限に維持できます。
「準備八割、実行二割」という言葉があります。警備の現場では、まさにこの言葉が当てはまります。現場に入る前の数十分の準備が、その日の事故を未然に防ぎ、人々の安全を確保するという、大きな成果に繋がるのです。
私たちは、一つひとつの準備を大切にし、今日も明日も、万全な体制で警備の任務にあたります。


